はつじょがゆく!
廿日市市宮島町にあるgelateria BACCANO(ジェラテリア バッカーノ)、店主の土居悦子さんにお話を聞きました。
母と息子の夢のジェラート屋
gelateria BACCANOは、2014年8月末に宮島島内にオープンした自家製ジェラートショップ。
土居さんとご長男で営むお店です。
若い時からずっと起業したいという夢を抱いていた土居さん。
子育てをしながら、いろいろな仕事を経験してきました。
子どもたちが大学を卒業し、就職したのを機に「息子を巻き込んで何かやってやろう。」と考えます。
食べることが大好きな土居さん。
子どもたちが小さな時から料理の手伝いをさせていたため、二人とも料理好きに育ちました。
京都の大学を卒業した上の息子さんはイタリアンの飲食店に就職したほどです。
土居家はアイスクリームが大好きで、冷凍庫には年中アイスクリームがあるような家庭でした。
京都にいた息子さんには、イタリア人のご主人と日本人の奥さんがやっている行きつけのジェラート屋があり、土居さんが京都を訪れるたびそのお店のおいしいジェラートを買って来てくれたそうです。
何をやろうかと考えていたとき、息子さんのほうから「ジェラート屋をやらない?」と提案され、お店をオープンさせることになりました。
素材と味にとことんこだわった、保存料や着色料を使わない安心ジェラート
宮島の表参道商店街と町家通りの間にある一見民家のように見えるBACCANO。
店内に入ると目に飛び込んでくるのが、ショーケースに並ぶ色とりどりの美しいジェラート。
定番商品、その季節ならではの商品、作り手である息子さんの思いも込め、毎日少しずつ種類を変えながら、常に18種類のジェラートを用意しています。
土居さんは地産地消を大切に考えており、5、6月は宮島の契約農家さんでとれるいちごを使ったり、ジェラートのベースは、地元企業であるチチヤスの地産地消型商品「広島のおいしい牛乳」で作っています。
カラフルなジェラートにも関わらず、無着色、無香料で保存料も使用していません。
紅玉を使ったりんごのジェラートはきれいなピンク色ですが、これはりんごの実も皮も煮て、その皮もジェラートの中に入れ込んでいるため。
瀬戸田のレモンを使った広島レモンのジェラートは、ストレート果汁を使っているため、レモンそのままのおいしさが楽しめます。
牛乳や季節の生の果物を使うため、品質管理と衛生管理については手間をかけ、徹底的に追及しています。
「どんな材料でもジェラートにすることができるんですね。ただ、それがおいしいかどうか、おいしく見えるかどうかっていうのはまた別物で、私たちがおいしそうに見えてかつおいしいと思うものを提供していく。いろいろ作って試していく中で合格したものがショーケースに並んでいます。」と土居さんは言います。
外国人観光客にも人気の味
季節によっていろいろな味が楽しめるお店ですが、冬場は安納芋やりんごがおすすめです。
またバレンタインシーズンにはチョコレートフレーバーを使った種類のものが増えます。
年間を通して人気No1なのが、前述の瀬戸田産レモンを使った広島レモンのジェラート。
外国人のお客様はヨーロッパからの観光客が多いそうですが、一番人気があるのは、濃厚な黒ゴマです。
他にもピスタチオや抹茶、ほうじ茶、玄米茶などを注文される方が多く、日本文化をよく勉強している外国人観光客は、日本語でオーダーすると言います。
ここ近年、外国人観光客が大変多いため、日本語の下に英語表記をつけるなどの工夫をしています。
和モダンなイートインスペース
お店の2階には、靴を脱いでくつろげる畳のイートインスペースがあります。
土居さんと息子さんが壁を塗って、床板を貼った和モダンな部屋です。
和風な雰囲気の中に、洋書が置かれたり、洋風な時計が掛けられていたりするおしゃれな空間。
日本家屋ならではの欄間を見て、外国人の方は喜ばれるそうです。
「ちょっと座れる空間があるとお子様連れのお客様がゆっくりしていただけるかなと。うちも孫がいるので外に出たときにお母さんたち困るだろうなと思って。授乳用のケープも用意していますし、ミルク用のお湯も必要なら言ってくださればご準備します。」と土居さん。
席に限りがあるため、未就学児童を除いてワンオーダーが必要ですが、宮島散策のちょっとした休憩に利用できます。
ジェラートだけでなく、カフェメニューも楽しめます。
ビスケットなどもすべて手作りにこだわっており、今後少しずつ、メニューを増やしていきたいと考えています。
コーヒーやジェラートのカフェラテには、宮島生まれの伊都岐珈琲の豆を使っています。
BACCANOはイタリア語でお祭り騒ぎ
BACCANO(バッカーノ)はイタリア語でお祭り騒ぎやばか騒ぎを意味するそうです。
「うちの店もにぎやかにばか騒ぎできるように、大勢のお客様が来てくださったらという思いで店の名前を決めました。」と土居さん。
個人でやっている小さなジェラート屋だけど、来ていただいた方にほっとくつろいで、本当のジェラートの味を楽しんでもらえるお店でありたいと話してくださいました。
東園 恵
gelateria BACCANO
住所/広島県廿日市市宮島町幸町西浜435-3
電話/0829-44-2880
営業時間/12月~3月中旬 11:00~17:00、通常時期 10:00~18:00
定休日/不定休(ホームページでお知らせ)
http://baccano.jpn.com/
Writing:Kawasaki Kyoko