はつじょがゆく!
廿日市市を拠点に活躍する、フォトグラファーのADREACH、川本理壱さんにお話を聞きました。
はつじょがゆく!カメラマンとして
今年度のはつじょがゆく!プロジェクトでは、カメラマンとして19事業者の取材時の撮影を担当した川本さん。
いろいろな思いを持って事業をされている方々の、印象的な表情をカメラに納めてきました。
写される側の緊張を解きほぐす笑顔は、川本さんのトレードマークです。
人と生き方にこだわった写真家を目指す
川本さんの屋号はADREACH(アドリーチ)といいます。
広告Advertisingと、人生のモットーである冒険AdventureのAD。
それに自身の名前りいちと、目標やゴールに達するという意味のREACHを合わせてつけました。
「目標やゴールに達する」のは自分のことだけではなく、川本さんとご縁のある人にとってもという思いがこめられています。
現在、家族写真、広告、ブライダル、七五三、学校行事、イベント、企業など、主に人物写真を中心に撮影しています。
川本さんが写真を撮るようになったのは5年前のこと。
手術をした、その同時期に出会ったカメラを持って旅に出ます。
旅先では多くの人との出会いがあり、人の優しさにふれ、助けられました。
出会いによって人それぞれの歩む生き方の魅力に気づいた川本さんは、「人と生き方にこだわった」写真家を目指すようになります
カメラマンのアシスタントをしたり、勉強を重ねることで独学でカメラを学びました。
撮影するときに大切にしていること
撮影時に大切にしていることは何といっても川本さん自身が笑顔でいることです。
写真が苦手な方もいるため、笑顔を引き出す雰囲気を作ります。
どんどん質問を投げかけ、その人の好きなことを話題にします。
好きなことや好きな人を想像しながら、みなさんいい表情で話すのだそうです。
魔法の一言をかけることもあります。
常に笑顔で会話しながらシャッターを切る川本さん。
わざとシャッターを切っているときもあると言います。
音楽でいうとイントロみたいなもので、シャッターをとにかく切って雰囲気に慣れていただきます。
「写される人の未来の幸せを願いながら撮影しています。そんな気持ちが伝わるのか、みなさん表情が変わるから。」と川本さんは話します。
オーダーメイドの撮影をすることが多く、家族写真でもスタジオでかっちりとした雰囲気の中撮るわけではなく、自宅で撮りたい、思い出の場所で撮りたいといったお客様の希望に沿った場所で撮影します。
漠然としたイメージで依頼してきた方とも、話を聞きながら、川本さんの方から提案もしつつ、こういった雰囲気でと決めていきます。
打ち合わせのときから楽しんでいただくことを大切にしています。
初の写真展を開催 撮り続けてきた「じいちゃん」
2019年1月、川本さんは初の写真展『じいちゃん~心は万年青年~』を広島市内で開催しました。
一緒に住んでいるじいちゃんの飾らない普段の姿を取り続けてきた川本さん。
起き抜けのじいちゃん、孫を愛おしそうに見つめるじいちゃん、散歩するじいちゃん、じいちゃんがつづった俳句。
孫だからこその目線で撮られた写真からは、川本さんのじいちゃんへの当たり前にある、深く穏やかな愛情が感じられます。
いろいろな方の協力で、大勢の方に「じいちゃん」を見てもらうことができました。
証命写真家として生きた証を写す
今後は家族写真やプライベートな写真をどんどん撮っていきたいと話す川本さん。
「家族写真は絶対に残していきたいものです。時間が過ぎていくのは止められない。その時にしか写せないもの。10年後20年後、その写真をみんなで見ながら、このときああだったよねっていう家族の会話のきっかけになったらいいなと思っています。」
「おじいちゃんおばあちゃんと話すのが好きで、写真を取らせていただくことも多いんです。ただ写真を残すだけではなくて、ライターさんと一緒にその現場に行かせていただいて、お話を聞いて写真を撮らせていただくことでその人のオリジナルの伝記みたいなものができたらすごいおもしろいんじゃないかなと考えています。その時の声、記憶が残せるんじゃないかなって。」と川本さん。
「『証命写真家』として、これからもその人の生きた証を撮り続けていきたいです。」と話してくださいました。
東園 恵
ADREACH 川本理壱
住所/広島県廿日市市本町5-1
https://www.instagram.com/adreach_hiroshima/
Writing:Kawasaki Kyoko