はつじょがいく!
廿日市市佐方にあるリカー&フーズタナカさんにお邪魔しました。
田中豪荘さんにお話をお聞きしました。
他では買えない日本酒の並ぶ店
昭和60年に田中さんのお父さんが創業されたリカー&フーズタナカ。
苦労して創業したお父さんの姿を見て、どうにか引き継いでいきたいと思っていた田中さん。
大学卒業後、アパレルメーカーで婦人服を販売していましたが、東京から広島に戻ってきてお店の仕事を始められました。
昔はお店の冷蔵庫の中はビールばかりだったそうです。
日本酒もどこにでもあるようなものを置いていたそうですが、スーパーやドラッグストアでの販売も増えてきたことから、ここに来ないと買えない日本酒、和酒を販売することに特化したのだそうです。
今は、佐伯区から大竹あたりまで探しても、田中さんのところにしかないお酒がたくさん並んでいます。
蔵元の思いを知り、大切な人に届ける
田中さんは、広島県や中国地方を中心とした日本酒を扱っていて、蔵から直接取引されています。
地元の食材には地元のお酒があうと考えるからです。
作り手の顔、その人の作るお酒を知ってから販売したいという思いで、休日には蔵元をまわるそうです。
どうやってお酒を作っているのかを見たり、今年のお酒の出来について聞くのが楽しみなのだとか。
お酒は生き物なので、年によって味が違うのがおもしろいところだとおっしゃいます。
この杜氏さんはちょっと怖い顔をしているけど、作るお酒は優しい味がするとか、きれいな女性の杜氏さんが作るお酒は、やはりきれいだとか、蔵元をまわるからこそ知れる情報をお客様にもお伝えするのだそうです。
勉強を兼ねて広島市内の居酒屋さんなどでお酒を飲むとき、おいしいお酒にであうと、そこの蔵元さんを訪ねることもあります。
蔵元さんにとって自分のところのお酒は子供のようなもの。蔵元さんのそのお酒への思いを知り、大切なお客様にその思いもこめて届くようにと考えていらっしゃいます。
蔵元さんと直接取引をすることで、周辺にはないオリジナリティある品揃えが自慢のリカー&フーズタナカさんです。
創業以来かわらぬ味 手焼き南京豆
お店では、創業当初から変わらない味で人気の手焼き南京豆を販売しています。
お父さんが子どもの頃作ってもらっていたという炒り豆をヒントに、千葉から生のピーナッツを取り寄せ、焙烙でゆっくりと時間をかけて手炒りしたものです。
最近の豆は改良されて、大粒でそろった品種もあるそうですが、こちらで使っているのは在来種の半立というもの。味と甘みが深い、余韻が長く残るこの豆を当初からずっと使っているそうです。
塩も何も使わない、豆そのものの甘さがおいしいこの手焼き南京豆、まとめ買いされる方もいらっしゃるそうで、リカー&フーズタナカさんの人気商品です。
店内には駄菓子のコーナーもあります。
近くに小学校があるため、地域の子供たちのためにという思いで、こちらも創業当初からずっとやっていらっしゃるそうです。
まだ算数のよく分からないような小さい子が小銭を持って、計算しながら楽しめるようにと続けていらっしゃいます。お酒が飲めるようになって、「小さい頃、駄菓子を買いに来てました。」と来店されることもあり、それが楽しみなのだそうです。
唎酒師のアドバイスで日本酒を選ぶ
田中さんはご夫婦とも唎酒師の資格をお持ちです。
飲みやすいものが好き、しっかりした味のものが好きなど、好みのお酒のタイプを聞いたり、料理の献立を聞いたりして、その方にあうお酒をアドバイスできます。
店内には試飲コーナーもあり、新商品やおすすめの商品を試してみることもできます。
廿日市で気軽にお酒の飲めるイベントを
廿日市の得意先の居酒屋さんと一緒に、1、2カ月に一回くらいのペースで料理にあうお酒を楽しむ会を開催されている田中さん。
数種類のお酒が飲み放題で、そのお店のコース料理も楽しめる会で、お酒好きの方がたくさん集まるのだそうです。女性の参加者が半分以上なのだとか。
今後、廿日市の駅前あたりでテーブルを出して、気軽に立ち寄ってお酒を楽しんでもらえるようなイベントができたらといいなと考えているそうです。
わざわざ廿日市に行ってみようと思えるようなオリジナリティのあるお店が増えたらいいなという思いをお持ちの田中さん。
そのヒントがいっぱいつまっている、まさにわざわざ行きたくなるお店、リカー&フーズタナカさんです。
東園 恵
リカー&フーズタナカ
住所/広島県廿日市市佐方647
電話/0829-31-3206
営業時間/8:00から20:30
定休日/火曜日
https://www.facebook.com/hatsukaititanaka/
Writing:Kawasaki Kyoko