生粋の料理人が腕をふるうおいしい和食が楽しめる店|花かんざし

はつじょがゆく!

廿日市市宮内にある、花かんざしの店主、坂田勝英さんにお話を聞きました。

旬のおいしさを活かした和食の数々

花かんざしは、坂田さんと奥様、息子さんの三人で営む小料理店です。

店内には小上がりの掘りごたつ式のテーブル席が3つと、カウンターが7席あり、一人でも気楽に利用できます。

お昼時は、近所の方やサラリーマンの利用が多いそうです。

お昼のメニューには700円と1000円の定食があります。

700円定食は消費税込みで提供しています。


新鮮な旬の野菜がたくさん入った1000円定食。

メインのおかずは肉と魚と半々に、とんかつ、生姜焼き、魚の煮つけや焼き魚など、毎日違ったメニューが楽しめます。

お漬物はすべて自家製。
冬場は白菜の漬物と大根やキュウリ、カブのぬか漬けを出しています。
自家製ならではのおいしさで、お金を払うから分けてくれないかというお客様もいるそうです。

ソースやドレッシングは、既製品をそのままかけるのではなく、坂田さんが他の調味料とうまくブレンドしたものを使っています。

梅肉ソースも自家製の梅干しから作っています。

夜には一品料理の他、予約でコース料理も楽しめます。

寒いと海の中で魚が動かなくなるため脂がのり、焼いても、煮つけても、刺身にしても、冬場が一番おいしく魚が食べられるそうです。

また2月から3月までは牡蠣のベストシーズン。
フライに鍋に天ぷらに、いろいろな方法で楽しめます。

坂田さん一番のおすすめは、秋の彼岸から春の彼岸までが旬と言われるふぐ。

「ふぐ刺し、ふぐ鍋、唐揚げと、ふぐの本当のおいしさを味わってもらいたいです。」

親方になることを夢見て努力を重ねた修行時代

坂田さんは高校卒業後、料理人になるため、父親からもらった5万円を手に夜行列車に乗って東京に行きました。

新聞の求人広告を見て、ご飯と寝るところが確保された住み込みの仕事を見つけ、最初は食堂のようなところで働き始めたそうです。

今とは違い、修業も厳しい時代だったと坂田さんは言います。
誰も知らない都会で、夜布団の中で泣くこともあったとか。

坂田さんは「一番下の坊主」として洗いものやトイレ掃除に努めました。

欲が出たのが20歳のころ。

朝厨房に入ってくる丸ごとの魚、葉っぱがついたままの大根、土がついたままのごぼうが、夕方には料理としてお皿に盛られるのを見て、その色どりの美しさやおいしさに感動し、それを作りあげた先輩に憧れたと言います。

そこからさらに努力を重ね、修行先を変えながら立場も変わり、給料もどんどんあがっていったそうです。

「花かんざし」の名前にふさわしい料理が提供できる店

13年の修行を終え、こちらに戻り、廿日市の一茶苑という料亭で働き始めました。

若くして料理長をまかされた坂田さんは、常に大勢のお客様でにぎわうお店で14年間、腕を振るいました。

49歳になったとき、自分の思いで仕事をしていきたいと考えるようになります。

こんな材料を使いたい、時期だからこんなことをやってみたい、なにより自分の考えて提供したものが、どんなふうにお客様に感じていただけたのか直接見てみたかったと言います。

「仙」というお店を出した後、現在の場所に移転し、自分が店を持つときはこの名前をつけたいと30代の頃から温めていた、「花かんざし」を店名にしました。
この名前にふさわしい料理を出す店にしたいという思いがあったそうです。

「ここにいたらいろんな人の話が聞けます。それを聞いていろいろ考えることもあるしね。だからこそここに来て仕事しとるんですよ。今後も一生懸命やるだけです。」と坂田さん。

「廿日市の人には、安けりゃいい、お腹いっぱいになればいいじゃなくて、本当においしいものを食べてほしいです。」と話してくださいました。

東園 恵

FMはつかいちで放送されました

花かんざし
住所/広島県廿日市市宮内1-5-13
電話/0829-38-3066
営業時間/11:30~13:00 17:30~21:30(L.O 21:00)
定休日/月曜日(祝日の場合は翌日)
https://www.instagram.com/hanakanzashi1000

Writing:Kawasaki Kyoko