手作り手仕込みで5年後の健康を支える食事を|ほっこり山ちゃんのお弁当屋さん

はつじょがゆく!

広島市佐伯区三筋にある、ほっこり山ちゃんのお弁当屋さん、山下幸士さんにお話を聞きました。

お弁当を通して人にいい食事、必要な食事を作ることが使命

山下さんは、お父さんの代からの店を継ぎ、お弁当屋さんをやっていましたが、契約していた店舗を閉店し、2018年にほっこり山ちゃんのお弁当屋さんをオープンさせました。

以前は見た目のいい、凝ったお弁当にこだわった時期もあったと言いますが、人にとっていいお弁当、必要なお弁当を作りたいという思いがお弁当屋さんとしての再スタートにつながりました。

お弁当に使われている添加物、調理場や器具の消毒に使う洗剤が体にどんな影響を及ぼすのかについて学んだ山下さんは、知ったからにはこのままではいられなかったと言います。

「同じものを買おうと思ったら、スーパーでもコンビニでもどこででも買える。どこででも買える安いものを一生懸命売ることは僕の使命ではないと思ったんです。」と話す山下さん。

ほっこり山ちゃんでは、原材料にこだわるのはもちろん、冷凍ものではなく、できるだけ原材料からちゃんと仕込みを行ったり、極力保存料や添加物を使わないお弁当作りを心掛けています。

食べたものが身体を作るからこそ、食べてもいいものを提供していきたい、5年後の健康を支える食事として、昔のお母さんが作っていた「手作り、手仕込み」に近づけるよう努めています。

また、調理器具など、食材に直接ふれるものの消毒は、お酢を使ったり、専門の業者さんに頼んで調合してもらった安全な洗剤を使っています。

2020年夏に販売予定のうなぎ弁当の準備をすでに始めています。

養殖のうなぎでも、何を食べて育ったかということ、そして値段を考慮しながら、山下さんがいいと思ったうなぎの数を確保するため、早めに業者さんにあたってもらえるように動いています。

原材料にこだわりつつ、スーパーやコンビニのお弁当と差のない価格に抑えるよう努めています。

人気の高齢者向け、企業向け宅配サービス

ほっこり山ちゃんでは宅配サービスも行っています。

高齢者向けの宅配サービスを始めたのは、ある病院の訪問介護の方からの相談がきっかけでした。

地域に弁当の宅配サービスを行っている業者がなく、おじいちゃんおばあちゃんたちがコンビニのお弁当を毎日食べている現状をどうにかできないだろうかという話を聞き、距離はあったものの宅配サービスを始めることになりました。

今では地域の包括支援センターからも紹介していいだろうかと声をかけていただくようになったそうです。

また企業の給食としての配達も行っており、合わせると1日に4~500食、約60軒へ日替わり弁当を届けています。

安全な食事、必要な食事を伝えていくアース&サンクッキングラボの立ち上げ

2020年4月に、広島市西区の中小企業会館内にほっこり山ちゃんプロデュースの定食屋がオープンします。

お店をやりたいという人にこれまでのノウハウを提供し、一緒に同じ方向に向かっていけることを期待しています。

また、山下さん主催で「人に必要な食事」をテーマに活動するアース&サンクッキングラボ(E&S)を立ち上げました。

「今人類の危機なんですよ。こう言ったら大げさかもしれないけど。食べるもので身体が作られているにも関わらず、添加物の問題を知らずに食べている。それってすごく危ないことなんです。どんな食事が自分たちにとっていい食事なのかっていうのを伝えていくためにE&Sを始めることにしたんです。」

今地域では、農家などの生産者さんが作る農作物、またそれを使ったいい商品が生まれていますが、メジャーでないため、せっかく作っても利益にならないという現状があります。

E&Sではそういった農産物を紹介するだけではなく、どうやって料理に取り入れたらいいのか、素材の特徴を活かしたレシピを作って料理教室やクッキングライブを通してプロモーションしていきます。

みんなが日常に取り入れることで市場が広がります。
生産者の方にとっていいのはもちろん、消費者が食の安全性を知ったうえで「商品を選ぶ」ことにつながると山下さんは考えています。

廿日市の特産品を作りたい

山下さんは、ほっこり山ちゃんでいい食事、必要な食事を提供し、E&Sで食について伝えていくことを続けながら、ゆくゆくは廿日市の特産品を作りたいという夢があります。

「特産品を作って市場が全国に広がれば、生産者の方もうるおいます。いくらいいものを作っても今はものがありすぎて、そのよさが知られないまま埋もれてしまうんですね。そうすると生産者は利益にならないから作ることをやめてしまう。あるひとつの特産物を作って成り立っている地域もあります。そういうものを作りたい。関わっていきたい。全国に市場が広がることで廿日市に関わる人を増やしたいです。」と話してくださいました。

東園 恵

FMはつかいちで放送されました

ほっこり山ちゃんのお弁当屋さん
住所/広島県広島市佐伯区三筋3-6-9
電話/082-923-2848
営業時間/9:00~21:00
店休日/1/1~1/3
https://hiroshima-bento.com/

Writing:Kawasaki Kyoko