覗いてみたくなる、人の集う町の小さな本屋さん|ホリディ書店

はつじょがいく!

廿日市市城内にあるホリディ書店さんにお邪魔しました。

古本をメインに、新刊も選書し販売しています。
昔はどこにでもあった町の小さな本屋さんでありたいと願い、お店を始められました。

店主の宮本ひろみさんにお話を聞きました。

いつもそばに本がある生活

お父さんが読書家で、小さい頃からたくさんの本に囲まれて育ち、本のある生活が当たり前だった宮本さん。

図書館に行くのも大好きだったそうです。

「ちゃんとした本棚を持ちなさい。」と大学時代にお父さんが買ってくれた本棚を、今もお店で大切に使っています。

大学は文学部にすすみ、お店を始めるまでは会社勤務で本に関わる仕事をしていました。

インターネットを通じて本の注文を受け付け、問屋さんへ発注。届いた本をお客様へ発送するという業務を担当していました。

お客様の顔の見えない業務をする一方で、本屋巡りをしたり、古本のフリーマーケットに参加したりと、本を介して人とのつながりを持つことに楽しさを感じていた宮本さんは、いつか自分で本屋ができたらいいなとおぼろげに思っていたそうです。

その業務から会社が撤退することになったときが、ちょうどご主人とご自身の両親の介護が終わり、子供たちも巣立ったタイミング。

やるなら今だ、やってみようと決心し、創業のためのセミナーにも参加。物件を探し始めます。

お店の場所は廿日市駅に近く、通りから少し入ったところで落ち着いた雰囲気なのが気に入って決めたそうです。

廿日市はお父さんの実家があった思い出の場所。

長年の思いを叶え、2016年10月にホリディ書店を開業されました。

本と雑貨とコーヒーと

店内には約2000冊の本が並びます。

文庫本、文芸書、絵本、手芸の本、民族、歴史といろいろなジャンルの本を取り揃えています。古本がほとんどですが、宮本さんが選んだ新刊書も仕入れています。

倉庫にはこの3倍の本が保管されており、随時入れ替えをしながら読んでいただきたいと思うもの、面白そうだなと思うものを中心に店頭に並べています。

お店に入って目を引くのが、ひとつひとつ形の違う素敵なランプシェードが印象的なカウンター。

コーヒーなど好きな飲み物を飲みながら、ゆっくりと本を読むことができます。

地域のものを取り入れたいという思いで、廿日市市内の2か所のコーヒー焙煎所からコーヒーを仕入れて提供しています。

コーヒーが苦手な人のためにその他の飲み物も用意しており、加えて夏はかき氷も楽しめるそうです。

雑貨も好きな宮本さん。最初は問屋さんから仕入れていた雑貨も、今は半分以上が、10名ほどのハンドメイド作家さんに委託して作ってもらったものです。

顔を知り、つながっている作家さんの得意な分野の作品。バックやアクセサリー、置物や布小物など、飽きがこないよう、定期的に入れ替えて置いています。

ホリディ書店さんには、40代から60代の方を中心に様々な年齢層の方が、男女問わず本や雑貨、コーヒーを楽しみに来店されるそうです。

駅が近いため、廿日市市以外の場所から来られる方も多いのだとか。

ツイッター、インスタグラム、FacebookなどSNSでの情報発信もこまめに行っているため、それを見て遠方から足を運ばれる方もいるそうです。

LINE@も始めました。
ポイントカードになっていて、来店ごとに店頭にあるQRコードを読みとると来店ポイントがたまります。10ポイントたまったら、400円分のドリンク無料サービスを受けることができます。

友だち追加

ワークショップの開催、イベント出店も

ホリディ書店さんでは、毎月いろいろなワークショップを開催しています。

月に1回行うのが、手芸部。

自分の作りたい物を持ち寄って手芸をします。手芸と言いながら、家で一人でするにはおっくうな繕い物やボタン付け、裾上げをする方もいらっしゃるそうです。

手を動かしながら、お茶を飲みながら、世間話をしてストレス解消してもらいたいと、毎月第4土曜日の14時から16時まで定期的に行っています。

いろいろな作家さんや教室をやっている方、またその道の専門家を呼んでのワークショップは毎月趣向をこらしています。

初心者向けカメラ講座(フォト部)や、コーヒー教室(豆部)をはじめ、花粉症の季節には花粉症対策の話も聞ける「ハーブティーとマスクスプレー教室 」なども行われました。

絵本を作っている方の作品や、廿日市、広島市在住の画家の方の作品を展示するギャラリーとしても楽しむことができます。

またお店の外に出て、マルシェや古本の即売会などにも多く出店します。

2019年4月には西の森マルシェ、5月には洞雲寺マルシェへの出店が決まっています。

古本の即売会をきっかけに、遠く兵庫や下関の方がお店まで来てくださったこともあるそうです。

長年の夢を叶えてオープンしたお店は、本を通してたくさんの人が集える場所。

宮本さんの好きなものにあふれた、ちょっと覗いてみたくなるような町の小さな本屋さん。

「昔ほど本が読まれる時代ではなくなったけど、感動したり、生きる糧を得たり、本には大切な役目があると思うんです。」と宮本さんはおっしゃいます。

幼いころから思い入れのある廿日市で、少しでも長く続けていくことができればと話してくださいました。

FMはつかいち放送分はこちら

東園 恵


ホリディ書店
住所/広島県廿日市市城内1-7-6
電話/0829-20-5284
営業時間/11:00から17:00 水曜・日曜
http://holidaysyoten.com/
https://twitter.com/holidaybookshop
https://www.facebook.com/holidaybookstore/

Writing:Kawasaki Kyoko